津波の脅威を今に伝える〜気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館〜
あの日、あの時に見た光景は、誰もが忘れたく思い出したくないもの。でも、目を反らしてはいけない、語り継がなければいけない。あの姿をそのままに保存し、多くの方に見て知ってもらいたい。未来へ伝える為に。
〈気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館〉
震災前、この場所は「気仙沼向洋高等学校」と言う高校であり
水産系高校として、現在も実習船を用いてハワイまでの往復航海を行っていました。
しかし、2011年3月11日東日本大震災が発生。当時学校にいた生徒と教職員は直ぐに避難し、全員無事だったものの、その後襲った津波により校舎の4階床下部分まで浸水する被害を出し、2018年に新校舎が出来るまでの間、近くの高校との合同授業や仮校舎を使用していました。
その間も損壊した校舎は震災遺構として整備され、2019年3月10日に「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」としてオープンしました。
来館すると、まずシアタールームにて震災の映像を観た後、写真パネルが展示されている通路を抜けると、震災遺構として当時のまま保存されている気仙沼向洋高等学校へと進みます。
まず、始めに南校舎へと入ります。
「破壊された校舎 教室」
奥に黒板が見えます
「男子トイレ」
「1階教室」
「曲がった扉」
「1階 変形した水道台」
「生徒会館」
「3階電気磁気室」
因みに、この教室内には津波によって流されてきた車が横転した状態で残っています。
「散乱する教科書」
いくつもの瓦礫が漂着する中、散乱する教科書も見られます。それは、この場所で沢山の学生さん達が先生に教えられ、勉学や知識を身につけ、忘れられない思い出や青春を送り、涙を流しながら学び舎を卒業し新たな道へ進む...そんな当たり前の日常さえ叶わなかった現実がこの中にはあります。
「錆びたレターケース」
このレターケースを見て分かるように下の部分が異様に錆びています。これはこの高さまで津波が到達したと言う津波到達地点がハッキリと分かるもので、さらに、このレターケースは校舎の4階にあり、そこまでの高さは約12mです。
「屋上」
当時、校舎の周りは損壊した家屋や瓦礫等で溢れていましたが、現在は整地され海岸沿いにも防波堤が完成しつつあります。
地震発生後、生徒は速やかに避難しましたが、教職員数名が書類等を取るために校舎へ戻り、そこでつなが接近しているのに気づき、近隣の住民と共に屋上へと避難し全員助かっています。
ホームページ
https://www.kesennuma-memorial.jp/
住所:宮城県気仙沼市波路上瀬向9-1
TEL:0226-28-9671
FAX:0226-28-9675
営業時間:9時30分~17時(4月~9月) 9時30分~16時(10月~3月) ※入館は閉館時間の1時間前まで
定休日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌日休館) 祝日の翌日(土日、GW期間を除く) 年末年始(12月29日~1月4日) ※毎月11日、9月1日(防災の日)、11月5日(世界津波の日)は曜日・祝日に限らず特別開館日。
入館料(個人)
一般 600円
高校生 400円
小・中学生 300円
団体(30名以上・要予約)
一般 500円
高校生 300円
小・中学生 200円